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中部地方で愛される“声の文化”——ラジオとカフェがつなぐ地域の空気

「山と空とラジオと。」——中部の真ん中で、音を流すということ

■ 声と店と、空気を届けること

少しだけ、自分の経験もお話ししますね。

カフェを営んでいると、日々いろんなお客さまとお話する機会があります。どんな焙煎にするか、どんな豆にするか、天気や季節と相談しながら、空気に合う一杯を出す。

そんな日々の中、地元のFMラジオ番組に出演させていただいたことがありました。テーマは「地域に根づく店の声」。緊張しながらマイクに向かったんですが、不思議とお客さまと話すときと似た空気が流れていて。“声で空気を届ける”というラジオの本質に、あらためて気づかされたんです。

■ なぜ、今あえて“ラジオ”なのか?

最近、スマホでも音楽でも動画でも、音のコンテンツが本当に増えましたよね。YouTube、Spotify、ポッドキャスト、配信アプリ──選びきれないほどの音声があふれています。

そんな時代に、あえて「ラジオ」を語るのは、ちょっとノスタルジー?……いいえ、そうじゃないんです。

この中部の真ん中で、ラジオって、いまだに“地元の空気を知るメディア”として、根強く愛されています。天気のこと、道路のこと、農作業のこと、お祭りのこと──テレビよりも先に、ラジオが届けてくれる情報って、案外多いんですよ。

■ 山に囲まれているからこそ、音に頼る文化がある

うちの地元って、ぐるっと山に囲まれた土地なんです。平地の広さよりも、山の影の方が濃くて。だからこそ、“視界じゃなくて音でつながる文化”が、自然と根づいたんだと思います。

たとえば昔、小学生の頃に聴いていたのが、夕方の交通情報。農道での事故や、霧の出やすい峠道の注意喚起。おばあちゃんがキッチンで聞いてるラジオから、それとなく流れてきて、家族が自然に情報を共有していたのを思い出します。

■ ラジオは“声の風景”

声だけで構成されたコンテンツって、不思議ですよね。映像がない分、想像力が余白を埋めてくれる。

たとえば、地元の方言混じりでお便りを読むパーソナリティの声。田舎らしいゆったりしたテンポのBGMと、朝の気温、野鳥の話題、湧き水の温度。こういう情報が、なぜかホッとするのは、きっとその土地の“音の風景”だからなんでしょうね。

■ 中部エリアは意外とラジオ熱が高い!

実は、このエリアは地元密着型のラジオ局が複数あります。FMからAMまで、小さな範囲で発信されている局もあって、地域の情報をこまめに届けてくれます。

おもしろいのは、リスナーが投稿してくるお便りの質が高いこと。農業や林業に関わる話、地元の郷土食の知恵、家族のつながり──どこか文学的で、あたたかくて、それでいて実用的。

このエリアのラジオが「暮らしの知恵袋」って言われるのも、納得です。

■ 若い世代とラジオの接点

じゃあ若い世代はラジオを聴かないのかというと、そんなこともありません。むしろ最近では、「音声配信アプリ」や「YouTubeラジオ」など、新しい形で再接続されてる感じがします。

自分たちで収録して、投稿して、コメントをもらって……。昔の「深夜ラジオ」の文化が、スマホの中に再来してる、そんな感覚です。

ラジオって、声でつながるからこそ、誤魔化しが効かない。だからこそ、リスナーは“人”に惹かれて、配信者は“空気”を届けようとする。

──この関係性が、どの時代にも生き続けてるんじゃないかなと思うんです。

■ 最後に:ラジオは“時差”のある愛し方ができる

映像やSNSと違って、ラジオには“時差”がある。リアルタイムで聴くのも良いけど、録音したものを数日後に聴くのもアリ。

それって、いつでも戻れる安心感みたいなものかもしれませんね。この地元で流れるラジオの音に、いまでも少し救われてる気がするのは、きっとそういう“愛し方”ができるからなんだと思います。

では、今日のトークはここまで。よろしければ、CASTでも、Spotifyでも、YouTubeでもお楽しみいただけますので、ぜひフォローしてみてくださいね🎧✨

音のそばで、お会いしましょう。

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