二人声劇台本(台本参加人数2人)
1452文字
5分読了
商用利用可能(さまざまな場面でご使用ください。)
さて、拷問の時間がやって参りましたね。
しかし、この令和の時代に身体的に拷問は罪に問われる。
私はね。○○さん。罪に問われたくないのです。
しかしね。○○さん、私はアナタを破滅に追い込みたいと考えている。
つまり、身体的苦痛を伴わない、破滅をもたらしたいと言っている。
私が何をしたっていうの?!
アナタはね○○さん、ちょっとやりすぎたんですよ。
何をやりすぎたっていうの?誰にも迷惑を掛けてないし、誰も傷つけてなんかいない!
そうですね。○○さん。アナタは誰も"身体的に"傷つけてなんかいませんね。
ただ、ある方たちからのご依頼で、こうしてアナタと夢の中でお話をしているわけです。
気持ち悪い。
あぁ、安心してください。夢が覚めたら私の記憶は全て消滅します。
アナタのご記憶には全くの無害です。
けど嫌っ。気持ち悪い。夢でも、気持ち悪い。
気持ち悪くて当然です。あなたの夢に土足で入り込んでいるのですから。
しかし、アナタへの憎悪があの方たちは、もう留めようがないらしいです。
あの方たちって誰?!気持ち悪い!アナタ誰?!キモイ。
憎悪の正体をお教えしましょう。それは、アナタ自身があの方たちのテリトリーを踏みにじったことにあります。
しかも陰湿なコメントと共に、ね。
何のこと?全く分からない!
あぁ、そうでしょう、そうでしょう。傷つける側の言い分は決まって認知していないに限ります。
具体的に申しますと、インターネットで匿名を良いことにさまざまな方たちへ猛威を振るいましたね?
それがなんだっていうの?!
匿名のインターネットで下ネタや悪口を書いたって何か悪いことあるわけ?!
受け取り手のメンタルが弱いだけでしょ?
えぇ、まさにその通りなのです。受け取り手の精神状態が芳しくないことを理由に攻撃を匿名でしたアナタが居ます。
そして、耐えられなくなったあの方たちの下した結論が、アナタを拷問にかけることなのです。
どういうこと?意味わからない!気持ち悪い!
同じ目に合わせたいらしいのです。あの方たちは。アナタを破滅に追い込みたいらしいのです。
よって、拷問を開始いたします。
ひっ
大丈夫です。安心してください。身体的には何の問題も起きません。
本日、お目覚めになった後、それから一生の間、アナタ自身がルーティーン化してしまう行為を、この場で強制をさせて頂きます。
意味わからない。そんなこと...
大丈夫です。誰かに強制されてやっている行為に感じることはなく、アナタは死ぬまでその行為をしていきます。
何言っているかわからない。どういうこと?
強制するルーティーンは、アナタの心を辟易させて崩していくものです。
インターネットの、嫌いな人間/嫌いな集団/嫌いなコンテンツから自分から閲覧しに行くものです。そして嫌いなことを確認することです。
は?それだけ?それがなんだっていうの?
これは逆に言えば報酬でもあります。
「嫌いなこと・モノを確認した報酬」です。
期待通りの報酬を受けたことによって、アナタはこの行為を常習化、すなわち中毒になるのです。
これは成功体験であります。人生で受けてはいけない成功体験であります。
あなたは中毒死するのです。
何言ってるんだか。そんなことで死ぬわけないじゃない。
えぇ、すぐには死にません。じわじわとです。
最後には廃人となる中毒ですから。
さて、そろそろ朝になります。私はこの辺りでお暇させて頂きます。
さようなら、○○さん。
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